今回は、はじめてハワイを訪れる人への注意点として、ハワイの飲食店のチップで気をつけることをご紹介します。
で、今回ご紹介したいのは、「ハワイには、チップの文化があるので気をつけて」と言う話ではありません。ハワイ旅行を計画している人は、おそらくすでにそのようなことはご存知ですよね。
むしろ、「ハワイの飲食店でチップの払いすぎに気をつけて」と言うのがご紹介したい内容です。
チップはそもそも客が決めるもの
それでは、早速始めましょう。ハワイの飲食店で払うチップは、そこで受けたサービスに対し「満足したかどうか」で、払うものです。
つまり、そもそも「チップを払うかどうか」から、「いくら出すか」まで、すべて客が決めることです。例えば、お店側のサービスに、大きな落ち度があれば、極端にはチップを出さないことだって考えられます。
そのチップの額をどのように調整するかですが、まず標準的なサービスに対するチップの額を、食事代の15%として。
例えば、料理に異物が入っていた、食器が汚れていた、スタッフが飲み物をこぼして服が汚れた、注文を取り間違えた、のようなことがあれば、「これはちょっと少なめに5%〜10%のチップにするか」となります。逆に、スタッフの対応がとてもナイスだった場合は、「ちょっと色をつけて20%にするか」といった感じですね。
実体験として、私は、ワイキキのステーキハウスのウルフギャングにて、カウンター席で食べたときに20%のチップを払ったことがあります。目の前で肉を焼いてくれたスタッフの対応がとてもナイスだったからです。
そして会計時に、そのスタッフが伝票のチップの額を確認した際には、「Thank you!」と言う言葉とともにニコッとしてくれました。この体験が、私にはとても嬉しいものだったんですね。なぜなら、「あなたのサービスに満足したからチップを多めに出しましたよ」と言う、私の意図がそのスタッフに伝わったからです。
と言うわけで。チップを「そもそも払うべきか、そしていくら払うかは、客が決めるもの」、と言うことを覚えておいてください。
ハワイには「会計時チップとして15%載せます」と言う店がある
以上の通り、飲食店で払うチップは、いくら払うかも含めて客が決めるのが基本です。ですが、ハワイの飲食店の一部には、有無を言わさず「会計時チップとして15%載せます」と言う店があるんですね。
これには、2つおかしなことがあります。1つは、そもそもチップを払うかは、客が決めることなのにお店側が払うことを前提にしていること。もう1つは、そのチップの額さえ、お店側が決めていることです。
「チップは、客が決めるもの」と言う原則から考えると、おかしいのは当然ですよね。
このお店がチップを決めている状況のおかしさを例えるならば。結婚式の招待状に、「新郎・新婦の希望により、当式のご祝儀は3万円以上とさせていただきます」と書いてあるようなもんですね。そんな招待状を見たら「えっ、そっちが決めるの?」と思いませんか。
そして、祝福する気持ちも萎えますし、返信ハガキに「慶んで欠席させていただきます」としたくなるはずです。チップの額をお店が決めるおかしさは、これと同じことです。
また、お店が15%のチップを載せることまでは譲歩したとしても。中にはそれを会計時に何の断りもなく、載せて請求してくるお店があります。これは、「チップを払うかどうか決めるのは客」と言うことを考えると、かなりおかしな話です。
チップ抜きで再計算してもらえる
「勝手にお金を盗んでいるようなものだ」
これは、この問題を長年疑問に感じているハワイ在住者の言葉です。ちょっと厳しめのご意見ですが、そう言いたくなる気持ちもわかります。せめて会計時に「チップとして15%載せてよろしいですか?」とスタッフの確認があるべきなんですね。
ちなみに。もし無断で15%のチップを載せた請求が来た場合は、「チップは自分で決めたいので・・・」と話して、チップ抜きの額の請求に再計算してもらうことができます。チップは客が決めるものなので当然ですよね。
そうして再計算してもらった上で、自分の望むチップを渡せば良いわけです。ただ無断でチップを載せた請求をされる時点で、気分が良いものではないですよね。なので、その場合のチップは少なめになりそうですね(笑)
ただ初ハワイで再計算をお願いするのは、勇気が要りますし難しいかもしれません。なので、勝手に15%のチップを載せた請求が来る飲食店だった場合は、せめて「あっ、この店は」と、察っすることができるようになってほしいわけです。
会計時に無断で15%載せる傾向があるハワイの飲食店
で。以上を読んで、この「会計時に無断で15%載せる飲食店」が、ハワイになぜあるのか、その理由についてどう思われたでしょうか。私は、この話を最初に聞いた時には、次のように考えていました。
「チップの文化のない日本人旅行者と、それがあるハワイの飲食店の文化のすれ違い」
つまり、「標準的なサービスをしたとしてもチップを払わない日本人旅行者がたくさんいるため、飲食店側も苦肉の策として、15%のチップを載せて請求するようになった」と考えていました。飲食店側も日本人にチップの文化を説明しようと思っても、「英語が通じないし・・・」と言った具合ですね。
ところが、ですよ。上でご紹介したこの問題に詳しい方によると、「そうではない」とのことなんですね。どういうことかと言いますと、「そのようなことをする飲食店は、日本人が経営者でスタッフも日本人と言う店だけ」とのお話なんですね。
もちろんそのような店以外でも、チップを載せた請求をしてくる可能性は考えられます。ですが、ハワイに長年暮らす在住者の方の感覚では、「日本人が経営し、スタッフが日本人と言うハワイの飲食店が、このような請求をする傾向にある」とのことでした。
チップの文化がよくわからない日本人同士で起こっている悲しい現象
要するに。「お店を経営している日本人側が、チップの文化をよく知らずに、税金と同じようにチップを取る権利があると誤解して、請求してしまっている」とのお話でした。
なので、「サービスに満足できない場合は、チップを抜いた額で再計算してもらうようにどんどんお願いすべき」とのご意見なんですね。
この話を聞いて、私はかなり衝撃を受けました。なぜなら、上で述べた通り、これまでは「チップを知らない日本人旅行客に困ったハワイのアメリカ人経営者が苦肉の策として、日本人旅行者にそのような請求をしている」と考えていたからです。ところがそうではなく「日本人経営者がチップをよくわかってないのが原因」と言うのが実態だったんですね。
確かに、私の実体験としても。ハワイのローカル向けの飲食店で、チップとして15%載せた請求が来たことは、一度もありません。つまり、この「15%のチップ載せ」問題は、チップの文化がよくわらない日本人同士で起こっている悲しい現象とわかりました。
1つ、この問題をすっきりさせる案として。飲食店側が「当店はチップは必要ありません」と明示して、メニューの価格を15%あげてしまうのは、どうでしょうかね。これなら飲食店側も取りっぱぐれることはないでしょうし、客側も「店側に勝手にチップを決められる」と言う思いをしなくて済みます。いかがでしょうか。
いずれにせよ。「チップは本来客が決めるもの」と言う点と、「無断で15%載せられるようなことがあっても、チップ抜きの額で再計算してもらうことができる」点は、初ハワイの人には、ぜひ覚えておいてください。