ハワイでの野生のイルカとの遊泳規制について老舗ツアー会社に問い合わせた結果

今回は、ハワイで野生のイルカ見学ツアーに参加してみたい人に伝えたい情報です。

気になる野生のイルカとの遊泳の規制案の存在

2016年8月28日に米海洋大気局(NOAA)から発表された野生のイルカとの遊泳の規制案をご存知でしょうか?詳しくは、次のCNNの記事にありますので、ご存知ない方はまずそれをご覧ください。

CNN: イルカとの遊泳禁止に?、当局が規制案を公表 米ハワイ

で、私には、イルカ目当てでハワイ旅行をするくらいの友人がいます。なので、この規制案の影響が気になっていたんですね。

そのように思っていたところ、先日ハワイでの野生のイルカツアーの老舗、ドルフィン&ユー社(以下ドルフィンさん)のオフィスに伺う機会がありました。

ドルフィンさんですが、この記事を書いている現在で創業27年、ハワイでの野生のイルカツアーを企画する会社のうち、最も歴史ある会社の1つと言えます。上のリンクでご紹介したCNNの記事内でも、この規制案に反対している企業として紹介されています。

そこで、その実際ところをドルフィンさんのメディア担当の方に聞いて見ることにしました。

当面はツアーに参加してもらって問題ない

まず、この規制案の発表を受けて、一番気になるのは、「今ツアーに参加して本当に大丈夫なの?」ということですよね。ハワイ旅行に向けて、せっかくツアーを申し込んだのに、「規制されてできません」となっては困るからです。

その懸念をドルフィンさんに伺ってみたところ、そのご回答は、「当面はツアーに参加してもらって問題ないです」というものでした。

で、「当面」というのは、「この規制案の決着がどうなるかはっきりするまで」です。具体的な時期としては、この記事を書いている1年〜1年半後にそれが「はっきりする」とのことでした。

つまり、少なくともこの規制案が決まるまでは、これまで通り野生のイルカツアーに参加しても、何も問題がないわけです。

ドルフィンさんのツアーはイルカが近寄って来るまで待つ

私は、このハワイでの野生のイルカとの遊泳規制案のニュースを見たときですが、次のように考えていました。

「ハワイの野生のイルカツアーを企画する会社が、商業的にやりすぎたんじゃかな?」

なんと言いますか、私は、この規制案のニュースから、イルカツアーを企画するツアー会社にあまり良い印象を感じていなかったんですね。

ところが、実際に当事者のドルフィンさんから話を聞いた結果、「どうも違うようだぞ」と印象が変わることになりました。

例えば。NOAAの規制案の主張は、簡単に言うと、「野生のイルカは日中に睡眠を取る。それをツアー参加者が邪魔してけしからん!」と言うものです。なので、野生のイルカから約45m以内に近づけなくしようとしています。

ですが、ドルフィンさんのツアーでは、イルカを船で追い回すようなことはせず、あくまで、イルカ側から近寄って来るのを待ってから行っています。もちろん、イルカがいるスポットまでは船で行くことになりますが、イルカは自発的に人間と泳ぐべく近寄ってきているわけです。

なので、「イルカの睡眠の邪魔してけしからん」と言う主張には、当てはまらないように感じました。

非営利団体、ハワイエコツーリズム協会の認定企業

また、ドルフィンさんですが、非営利団体、ハワイエコツーリズム協会(HAWAII ECOTOURISM ASSOCIATION)に認定されている企業なんですね。

このハワイエコツーリズム協会というのは、ハワイのユニークな自然、文化を守るための組織で、「ハワイの自然を継続し次の世代に残して行く」ということをコンセプトにしています。そして、その活動として、ハワイの観光客に対する教育も行っています。

例えば、ドルフィンさんのツアーでは、ビーチのゴミ拾いを行ったり、ハワイで生まれ育ったスタッフによるハワイの文化を伝える活動を行なっています。

美しいビーチの印象があるハワイですが、実は、ハワイ諸島の近くの海には、ゴミベルトと呼ばれるゴミが浮かぶエリアがあるそうです。そして、そのゴミベルトからハワイのビーチに流れ着くゴミが結構あります。

ドルフィンさんのツアーでは、そのようなゴミを拾う活動を行なっています。

つまり、ドルフィンさんのツアーは、「イルカと泳いで楽し〜、ハイおしまい」というものではなく、ハワイの自然と文化を観光客に伝え、それが継続することを意識して行われているんですね。

そして、ドルフィンさんがこのハワイエコツーリズム協会に認定されている事実からも、イルカに対しても十分な配慮を持って接しているだろうことが、わかりますよね。

実際、ドルフィンさんがこのツアーを行なっているのは、「イルカは特別な存在」と考え、イルカを通じてみんな幸せになってほしいからなんですね。なので、そもそもイルカを粗末に扱う理由がないわけです。

NOAAの規制案の行方がどうなるかは、この記事を書いている現在はわかりません。ですが、それに反対する当事者のお話を伺い、ドルフィンさんの主張にも一理あることがわかりました。

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