今回は、ハワイ旅行中に「コンドミニアムに泊まってみたい!」と考えている人に伝えたい注意点です。具体的には、日本人オーナーから教わったハワイのコンドミニアムを予約するときの注意点をご紹介します。
ハワイにコンドを買った日本人オーナーのお話
先日、「ハワイ好きが高じて、ハワイにコンドを買っちゃって10年になります」と言う方からお話を聞く機会を得ました。今回のご紹介する内容は、その方から教わったお話です。
簡単には、次のような話です。
- ハワイで旅行客が泊まれるコンドは、ハワイの法律や管理組合のルールで管理されている
- 一方、中にはそのルールに反して違法に営業している物件もあるので気をつけて欲しい
と言うのが、今回お伝えしたい概要です。
1ヶ月以上の宿泊条件が多い理由
まず、ハワイのコンドに宿泊する場合は、1ヶ月以上の期間の宿泊が前提となっている物件が多いです。その理由は、管理組合で宿泊客の滞在期間に関して定められたルールがあるからです。
そして、なぜ管理組合のルールがそうなっているかというと。ハワイのコンドミニアムは、Zoningと言う法律でリゾートエリアと居住エリアが厳密に管理されており、そこに宿泊する場合の最低限の滞在期間が定められているからです。
さて。ハワイのコンドミニアムの部屋は、その部屋毎にオーナーがおり、その物件を自分が使っていない間旅行者に貸し出しています。それを「バケーションレンタル」、略して「バケレン」と言います。
そして、オーナーは、このバケレンで貸す場合に、コンドの管理組合のルールに従う必要があります。
この1ヶ月以上滞在のルールは、必ずしも「1ヶ月以上」が原則ではありません。Zoningの法律上は、むしろ「3ヶ月以上」や「6ヶ月以上」とむしろもっと長い期間滞在することが前提となっている物件もあります。
一方、ハワイのコンドの物件を探して見ると、旅行者が1週間や2週間と短い期間で借りられるものが意外にあります。そして、そのような物件の一部は、「1ヶ月以上」のような本来の滞在期間のルールを無視して貸し出している可能性があります。
なので、1週間、2週間などの短期間で、ハワイのコンドに宿泊する場合は、「ルールを無視した物件かも」と言うリスクがあることを知っておいたほうがよいです。
そのような物件は、そもそも管理組合を通さず、無許可でバケレンとして運用している可能性が高いからです。また管理組合を通している場合でも、1ヶ月未満の中途半端に売れ残った日程を、管理組合には「オーナーの友達です」と言う建前で、旅行者に貸し出していることもあります。
ホテル形態の運営をしている物件なら短期間の宿泊もあり
一方で。一般的な日本人旅行客からすると、1ヶ月もハワイに滞在するのは、なかなか難しい話ですよね。となると、そのような人はコンドの物件に宿泊することができないかと言うと、そうではありません。
コンドでもホテル形態で管理している物件であれば、短期間でもコンドの物件に宿泊することができます。一番わかりやすい例を挙げると、ワイキキのトランプホテルですね。
たとえば、次のページを見るとトランプホテルは、ホテルのように短期間の予約できますが、部屋の設備はコンドのようになっていることがわかります。
Trump Hotel Waikiki: 1ベッドルーム・スイート
そして、トランプホテルのような高級ホテルに限らず、ホテルのようにフロントを用意して、旅行客が宿泊できるコンドの物件があるわけですね。そのような部屋であれば、たとえば1週間のような短い期間でも、コンドの物件に宿泊することができます。
正確には、「ホテル形態の運営をしているから大丈夫」、と言うよりは、Zoningで1泊単位での宿泊を認められているエリアの物件で、そのような運営が可能となっています。
違法な物件に注意
逆に言うと、短期間で宿泊可能なエリアの建物でないのに、短期で泊まれてしまうコンドには、リスクがあります。旅行客を違法にコンドの部屋に泊まらせている物件があるわけですね。
例えば、次のニュースは、2014年12月のものですが、「ハワイで違法な営業をしているバケレンを今後取り締まる」、と言うニュースです。
City to crack down on illegal vacation rentals
そして、実際にカウアイ島では、違法に旅行客に宿泊をさせていたバケレンが取り締まられた事例もあります。英語となりますが、次の記事に詳しく紹介されています。
Kauai County cracking down on illegal short term rentals
これは2015年3月のニュースなので、この記事を書いている最近の話ですね。このニュースでは、違法と判断された物件は、2週間以内に営業停止の命令を受けていることがわかります。
これらの物件がなぜ取り締まられる対象になったかというと、上でご紹介した現在のZoningに違反する形でバケレンとして営業していたからです。
一方で、記事を読んで見ると、この取り締まりの対象となったバケレンの運営側にも、「消費税やホテル税をちゃんと納めて、適切にやってきたのに」と言う言い分があることもわかります。
おそらくですが、実体としてはバケレンに短期間滞在したい旅行者とそれに応えたいバケレンの運営サイドと、旅行者が泊まれるリゾートエリアを厳密に管理したい行政側の利害が対立しているんでしょうね。
違法な物件に宿泊するリスク
そして。このような物件に泊まる場合は、次のようなリスクがあります。
「泊まる予定の物件が取り締まりにあって、ハワイ旅行の宿泊先のアテがなくなる」
上で述べた通り、違法な貸し出しをしている物件は、取り締まられて営業停止となる可能性があります。となると、旅行客としては、急遽別の宿泊先を探す必要がでてくるわけです。この場合、ハワイに出発するまでの時間が差し迫っていたら、かなり慌てることになりますよね。
ほかのリスクとして。たとえば、このように「このコンドの貸出しは違法だ」と言うことを逆手に取って、オーナーを脅して宿泊料金を踏み倒す旅行者がいたとします。そのような目にあったオーナーが、「バケレンの運用が嫌になって急に辞めてしまう」、のようなケースも考えられます。
いずれにせよ、違法に貸している物件は、予定していた宿泊先に急遽泊まれなくなるリスクがあります。この点は、本当に気をつけた方が良いです。